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会員の声

◎会員の声②


一歩ずつ前へ!
                                  山岸 信雄 

               2018年10月会報(山岸ランナー)

 42.195km! そんなに走れるのか? 初めてフルマラソンに臨んだ時の思いだ。この距離は東京駅から
中央線の豊田駅まで(43.1km)に匹敵する。確かに遠くて長い。人は未知の領域に踏み込もうとする
とき、期待を抱くとともに底無し沼に吸い込まれるかのような恐怖に怯える。しかし、思い切って足を
入れてみると、意外と浅瀬であることが多い。何だ、こういうものか、と。

最初のフルマラソンは、東京マラソンが始まる前、東京での市民マラソン実現の夢に向かって走る<東京夢舞いマラソン>だった。2005年10月10日(月)体育の日、第6回東京夢舞いマラソン。雨の日比谷公園をスタートし、丸の内・大手町を抜け東京ドームから四谷を経て神宮外苑、六本木ヒルズ、東京タワー、浜離宮、歌舞伎座を回り、勝鬨橋を渡って月島商店街、芭蕉庵、国技館、駒形橋から雷門、上野公園、東大、小石川後楽園、日本武道館を経て、千鳥ヶ淵、国会前、皇居外苑から日比谷公園に戻る42.195k。東京スカイツリーがまだ無かった時代、都心の名所を網羅したコースだ。雨はいつの間にか上がり、観光気分を満喫した。公式レースでないこのマラソンは歩道を走り、赤信号で止まった。楽しく気軽に走って、完走!! だった。♬∼やれば出来るは魔法の合い言葉∼♬

2007年2月18日(日)、第1回東京マラソン。定員3万人に対し10万人が応募。くじ運は無い方だが当選した。氷雨の中、都庁をスタートして靖国通りを東進。広い幹線道路を自由に走れるのは爽快だ。飯田橋から竹橋を経て内堀通り、日比谷の交差点で10k。日比谷通りを品川駅手前まで往復し、晴海通りを右折して中間点通過。銀座四丁目を左折し中央通りを北上。銀座の目抜き通りだが、沿道の人々は市民マラソンの応援には慣れていない。

冷たい雨の中、3万人のランナーが走る光景に異様なものでも見るような視線を向けていた。日本橋手前、永代通りを右折して浅草へ。雷門で折り返して銀座に戻り四丁目を左折、晴海通りへ。築地本願寺前で35k。残り7kだが、ここからが厳しい。佃大橋からの4つの橋の昇降は体力を根こそぎ奪う。気力を振り絞り東雲を抜け最後の有明の坂を登り切ると、苦しみの中から歓びが湧き上がってくる。達成感に包まれて東京ビックサイトでフィニッシュ!!
 
このコースは第10回まで使われ、2014年にもう一度走った。2017年の第11回からゴールが東京駅前に変わった。3万6千人の定員に世界中から30万人以上が殺到する人気マラソンとなった。新コースには2年続けて当選した。2017年は2月26日(日)快晴。2018年は2月25日(日)晴れ。スタートから飯田橋・専大前までは同じコース。専大前から神田古本屋街、須田町を右折して神田駅ガード下を抜け、10k地点の日本橋を渡るのが嬉しい。中央通りを左折し旧コースと同じく浅草へ。スカイツリーが見えると五臓六腑が踊り出す。気持ちがいい。

雷門から蔵前橋を渡って清澄通りを南下、門前仲町で20k。江戸情緒の残る商店街だ。富岡八幡宮で折り返して日本橋まで戻り、中央通りを左折。お洒落な銀座通りを走れる歓びに浸り四丁目を右折して30k。日比谷通りを南下し、35k過ぎの品川駅手前で折り返して最後の北上だ。だが、強い北風が行く手を阻みビル風も容赦ない。歩き出すランナーがいる。「歩こうよ。少しくらいなら大丈夫だよ…」と、悪魔の囁きも聞こえ出す……

その時「ナイス・ラン!」と、健康美溢れるチアガールから声がかかる。近づいて「ファイト、イエーイ‼」と、力強いハイタッチで元気をもらう。地獄で仏か…日比谷通りは人が多く、声援も10年の歳月が逞しく成長させていた。残り6k、5k…と、一歩ずつ前へ進む。日比谷交差点までたどり着き、丸の内仲通りに入ると、あと1kだ。ブティックやカフェが並ぶ美しい仲通りは人垣で溢れている。石畳を走ると反発力が強く、軽快だ。沿道の声援を受けハイタッチを続けながら一挙に直進。丸ビルを過ぎると広い行幸通りが待っている。和田倉門前のゴールまで100m。込み上げてくる歓びに押されてフィニッシュ!! 振り返ると、白御影石の広場の先で赤レンガの東京駅舎が微笑んでいた。
 
丸ビル6階のN寿司店。脂の乗った鯵のカルパッチョを摘み、冷えた白ワインが舌先から喉を潤し食道を流れ胃に滴り落ちる快感を味わう。「走り切った者にしか分からないな」と、悦に入る。
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