FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

学習会要旨

◎ 7月29日(土) 学習会の要旨

日 時:7月29日(土) 13:30~16:30                             
場 所:東京経済大学 2号館 B301教室  
テーマ:映画を読む会―『舟を編む』                                          
講 師:川井 良介 先生(東京経済大学コミュニケーション学部教授)
出席者:182名(会員:男性114名、女性:49名、
非会員:男性7名、女性12名)
8月会報川井先生1

【映画の概要】


『舟を編む』(2013年 石井裕也監督 松田龍平主演 第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞)
(原作 三浦しをん 2011年光文社 2012年第9回本屋大賞第1位受賞、2012年文芸書年間ベストセラー第1位)
「辞書は言葉の大海に浮かぶ一艘の舟。人は辞書という舟で、その海を渡り、自分の気持ちを最も的確に表す言葉を探し出して、誰かに伝えようとする。誰かと繋がりたくて広大な海を渡ろうとする人たちに捧げる辞書、それが<今を生きる辞書>『大渡海』だ。」この新しい辞書の編纂(舟を編む作業)は、10年以上を要するのが当たり前という気の遠くなるような作業だが、辞書作りに人生を捧げて来た老国語学者と出版社・玄武書房のベテラン編集者、新たに辞書作りに情熱を燃やし出す同僚等とともにこれに邁進してゆく、辞書編集部主任 馬締光也らの姿を描いた作品である。

<主な登場人物>
馬締 光也(まじめ みつや) 松田龍平
主人公。玄武書房辞書編集部員。27歳。大学院で言語学を専攻して入社3年目。当初、営業部に配属されるが、コミュニケーション能力が低く、厄介者扱いされているところを、辞書編纂の資質を見い出されて、辞書編集部に異動となる。
林 香具矢(はやし かぐや) 宮﨑あおい
馬締の住む下宿「早雲荘」の大家タケの孫娘。27歳。湯島の料理屋「梅の実」での板前修行のため、男と別れて京都から「早雲荘」にやって来る。馬締の良き理解者であり、妻となる。後に神楽坂に小料理屋「月の裏」を開店する。
荒木 公平(あらき こうへい) 小林 薫
玄武書房辞書編集部のベテラン編集者。入社以来38年間、辞書の編集一筋に会社人生を捧げ、その能力は、編集主幹の松本朋佑から高く評価されている。定年退職後、妻を看取った後、嘱託として、『大渡海』の編纂に携わる。
松本 朋佑(まつもと ともすけ) 加藤 剛
『大渡海』の編集主幹を務める老国語学者。荒木とともに玄武書房の様々な辞書の編纂に携わる。定年よりかなり前に大学の教授職を辞し、辞書編纂の道一筋に身を捧げた。「用例採集カード」を常に携帯して新語、俗語、流行語や誤用も収録しようと努めるなど、先進的気質の持主だが、『大渡海』の発行を見ることなく死去。妻 松本 千恵(まつもと ちえ) 八千草 薫
西岡 正志(にしおか まさし) オダギリジョー
玄武書房辞書編集部員。27歳。入社5年目。軽薄でチャラいが、社交的で交渉能力が高い。当初、辞書への関心は低かったが、馬締の影響を受けて次第に辞書作りに情熱を持ち始める。その矢先、宣伝部へ異動となる。営業部の三好 麗美(みよし れみ) 池脇千鶴と社内恋愛の末、結婚する。
佐々木 薫(ささき かおる) 伊佐山ひろ子
玄武書房辞書編集部の契約社員。40代前半の女性。「用例採集カード」の整理と分類が主な担当だが、実務能力は極めて高く、部内庶務を一手に引き受けている。
タケ(たけ) 渡辺美佐子
馬締が学生時代から住む下宿「早雲荘」の大家。林香具矢の祖母。トラさんという猫を飼っている。馬締の数少ない理解者であり、馬締を「みっちゃん」と呼び、ときどき夕食をともにするなどして可愛がっている。
岸辺 みどり(きしべ みどり) 黒木 華
辞書編集部員。女性ファッション誌の編集部から異動してきた入社3年目の女性編集者。当初、雑誌作りと辞書作りとのギャップに辟易するが、辞書作りを通して言葉の持つ力に気づき始める。

                            8月会報舟を編む1

「あらすじ」

1995年、玄武書房で38年間、辞書の編集一筋に打ち込んできた荒木公平が定年退職を迎えようとしていた。新しい辞書、『大渡海』の編纂に荒木の力を必要とする編集主幹の松本朋佑は引き留めようとするが、病気の妻の傍に居たいという荒木の意思は固く、荒木の後任探しが始まる。荒木の部下の西岡正志は、密かに交際している営業部の三好麗美から、言語学の大学院卒で真面目だが、社交性がなく、変人と噂され、部内で厄介者扱いされている馬締光也の情報を得る。荒木は早速、馬締と対面し、「右ということを説明できるかい?」と問う。「西を向いたとき、北に当たる方」と呟きながら辞書を引き始める馬締の姿に、荒木は辞書編集者としての資質を見い出し、後任者に決定する。

『大渡海』の編集方針は、マジ、ダサイ、グサイなどの略語・俗語・流行語や誤用、さらに「ら抜き言葉」や「憮然」のように日々変化を続ける言葉を解説して<今を生きる辞書>を目指す、見出し語が24万語に上る大規模なものだった。編集に10年以上を要するのは当たり前という新辞書編集作業は、気の遠くなるような地味な作業を続ける一方で、新たに生まれてくる言葉を集めるため、「用例採集カード」を常に携帯して、様々な場所で使われる言葉の用例をメモして収録する。荒木の指導を受けながら、街に出て言葉を探し、合コンにも参加して用例採集を続ける日々が始まる。人とのコミュニケーションが苦手で営業には向いていなかった馬締は、黙々と辞書を編んでいく仕事に生きがいを見つけ、情熱を燃やして打ち込んだ。やがて、荒木は退職していく。

水を得た魚のように辞書作りに取り組む馬締だが、仕事に対する怖さから膨大な言葉の海で溺れる夢を見る。仕事に疲れた馬締を励ましてくれるのは、馬締が学生時代から住む下宿「早雲荘」の大家のタケおばあさんとその飼い猫のトラさんだった。タケおばあさんは馬締の数少ない理解者で、馬締を「みっちゃん」と呼び、馬締の書籍収集に協力して、空き部屋を書庫に利用させている。ときどき夕食に馬締を誘うなどして可愛がっている。トラさんは馬締に懐いており、持ち帰りの仕事をする馬締の足元で眠るのだった。

ある満月の夜、トラさんの声で物干し場に導かれた馬締は、月光の下に美女と出会う。タケおばあさ
んの孫娘の林香具矢だった。香具矢は、板前修行のため、男と別れて京都から上京し、高齢のタケおばあさんと同居を始めたのだった。香具矢に一目惚れした馬締は仕事が手につかない。見かねる辞書編集部の契約社員・佐々木薫は、馬締の恋に気づき、松本編集主幹は、その成就を願って、「恋」の語釈を馬締の担当とする。佐々木の機転で、辞書編集部一同、香具矢が修行中の湯島の料理屋「梅の実」を訪れる。香具矢を一目見た西岡は「あんな可愛くて彼氏いないなんて、あり得ないだろ。」と馬締をからかった。ある夜、包丁を研ぐ香具矢の姿に見入っていた馬締が、かかってきた電話を香具矢に取り次ぐ。「私は、仕事を続けたいだけだから。もう、いいよ。かけてこないで。さよなら。」と受話器を置く香具矢。それは、別れた男からの電話だった。

数日後、日曜日だというのに籠って仕事をしている馬締の部屋に、香具矢の作った煮物を手にタケおばあさんが入ってくる。「美味しいです。」という馬締の呟きを大声で香具矢に伝え、合羽橋に行く香具矢に馬締を付き合わせる。熱心に包丁の説明をする香具矢の言葉を、馬締は用例採集カードに逐一メモする。合羽橋からの帰り、香具矢は馬締を遊園地に誘う。観覧車の中で香具矢は、「女が板前をやるって、やっぱり変かな?」と寂しそうに呟く。いつもは返答に窮するが、このときばかりは、「そんなことはありません。僕は香具矢さんの料理が好きです。」と即答する馬締だった。

西岡や佐々木から香具矢への告白を促されていた馬締は、「恋文」を書き上げ、西岡に意見を求めるが、西岡は「恋文」を開くなり唖然とする。毛筆による行書体で書かれていた。「戦国武将じゃねぇんだぞ。」とあきれる西岡の携帯に三好から電話が入る。社内に『大渡海』の出版中止の噂が流れている。その出所は村越局長だった。語釈の執筆を社外に発注して既成事実を作り、出版中止を撤回させるという西岡の策で、辞書編集部は学者・文化人に電話攻勢をかけて執筆を依頼し、西岡と馬締は村越に談判に行く。「辞書は金を食うばっかりで…出版の頃には電子辞書に取って代わられる…」と渋る村越は、新辞書企画続行の条件として、今後、辞書と名の付くものは、子供向け怪獣辞典も含めてすべて辞書編集部に回すと無理難題を押し付けるが、馬締は「やります。」と即答し、『大渡海』の存続を認めさせた。その後、西岡だけが局長室に残され、宣伝部への異動を告げられたのだった。

西岡からインパクトがあるから想いは伝えられると、そのまま渡すことを勧められた馬締は、その夜、「読んでください。」と、「恋文」を香具矢に渡す。翌日深夜、香具矢は憤って帰宅する。「あれ、私が読めると思って書いたの? 達筆過ぎて読めないから、仕事の後、お店の大将に読んでもらった。」と、気恥ずかしさから怒っていたのだった。「手紙じゃなくて言葉で聴きたい。みっちゃんから聴きたい。今。はっきり言って!」との催促に、馬締は「好きです。」と勇気を振り絞る。「私も。」と答える香具矢だった。馬締が担当した「恋」の語釈は、「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。/成就すれば天にものぼる気持ちになる。」となっている。

辞書編集部の作業は続く。『大渡海』の編集に情熱を傾け出した西岡に、馬締は現代語の語釈の担当を任せることを提案する。西岡の宣伝部への異動を残念に思う馬締は、西岡と三好を「早雲荘」に招く。その酒宴の席で西岡は、三好との結婚を宣言するのだった。

12年の歳月が流れた。馬締と香具矢は結婚し、二人を結び付けたタケおばあさんとトラさんは既に他界していた。馬締は辞書編集部主任となり、膨大な作業に追われ、妻を喪った荒木は嘱託として戻ってきた。『大渡海』の出版をいよいよ翌年に控え、多忙極まる辞書編集部に岸辺みどりが異動してくる。その歓迎会は、神楽坂で香具矢が営む小料理屋「月の裏」で開かれた。岸辺は、女性ファッション誌の編集部に所属していた入社3年目の女性編集者であるが、5回もの校正を行う辞書編集の緻密作業と馬締の変人ぶりに辟易としていた。「あけぼの製紙」営業部の宮本が『大渡海』用に開発した試作品の用紙を持ってくる。馬締は「ぬめり感がない。指に吸い付くようにページがめくれない。」と、欠陥を指摘し、宮本は改善のため持ち帰る。岸辺が残業しているところへ西岡が訪ねてくる。西岡は岸辺が整理中の書類から「ダサイ」という見出し語を引っ張り出す。そこには用例として「酔ってプロポーズとかマジ、ダサイよね」と書かれていた。西岡は自分が書いた語釈で、用例は実体験に基づいたと打ち明ける。自分の言葉が辞書に載る醍醐味を知った岸辺は、辞書編集者としての自覚に目覚め、『大渡海』の編集に熱意を燃やすようになる。
 
辞書編集部は大量に学生アルバイトを雇い入れ、連日、校正作業に追われ、西岡も『大渡海』の宣伝に奔走する中、松本と馬締は、ファーストフード店での女子高生の会話に耳を澄ませるなど、用例採集を続けていた。宮本は用紙の改善に汗を流し、『大渡海』の装丁も海を渡る舟をイメージする試作が重ねられた。『大渡海』の発売は来年3月と決定される。

夏が過ぎ、松本と「月の裏」で食事する馬締は、松本の体調が思わしくないことを知る。一方、アルバイトの学生からの指摘で、見出し語「血潮」の欠落が発覚する。馬締は「一つ抜けているということは他にも可能性がある。」と、急遽、校正作業を中断して、第四稿と全項目リストを付き合わせる作業を泊まり込みで行うことを決定する。泊まり込みの用意に帰宅した馬締の携帯に、松本が入院したとの連絡が入る。馬締の代理で見舞いに訪れた香具矢は、松本の妻千恵と会い、検査入院であることを知る。泊まり込み作業を続けている辞書編集部を、村越局長が訪れ「3月発売は約束ですよ。」と念を押す。「もちろんです。」と返す馬締。「期待しています。」と、村越は差入れのパンを配って歩く。西岡の方は『大渡海』の一大販売促進キャンペーンを企画する。1か月に及んだ泊まり込み作業の結果、「血潮」の他には欠落がないことが判明する。「問題ないです。抜けなし。ご苦労様。」との馬締の声に学生たちは拍手と歓声で沸き返った。

荒木と馬締は退院した松本を自宅に見舞いに行き、松本から食道に癌が見つかったことを告げられる。自分の体のことより『大渡海』の完成を心配する松本の言葉に、二人は作業を急ぐことを確認し合う。余命少ない松本のためにも完成を急ぐ馬締は、正月も仕事に没頭し、馬締の体を心配する香具矢は、懸命に支えようとする。正月が明け、馬締の帰宅は連日深夜となり、店を終えて帰って来る香具矢の作る夜食を一緒に食べる日々が続く。1月末、遂に印刷所の輪転機が稼働し始める。刷り上がったばかりの裁断前の紙を筒状に丸めて、馬締は再入院した松本の病室に急行する。……だが、松本は『大渡海』の完成を楽しみにしつつ、それを待つことなく、2月半ば他界した。

3月、『大渡海』は予定どおり発行され、出版記念パーティーが華やかに催される。馬締の表情はさえない。最大の功労者である松本は、遺影となって会場の片隅にいた。荒木は白い封書を馬締に差し出す。それは松本が死の間際に荒木に宛てた手紙だった。そこには、最後まで監修者としての責任を果たせなかった詫びと荒木と馬締への感謝の言葉が綴られていた。「15年か、長かったなぁ。」と振り返る荒木に、馬締は「明日から改定作業に入らなければいけませんよ。」と前を向く。

夏、馬締と香具矢は、松本の新盆に千恵を訪ねる。その帰り、タクシーをしばし止め、二人は松本の愛した海に見入る。「これからもお世話になります。」と頭を垂れる馬締に「みっちゃんはやっぱりおもしろい」と微笑む香具矢だった。
辞書の編纂に終わりはない。希望を乗せ、大海原を行く舟の航路に果てはない(原文)。

[解説要旨]

1. 辞書と辞典

「辞書」という用語は、比較的新しく、幕末から使用された。『和蘭時辞彙』(1855~58年発行)、仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』(1870~76年発行)、森鴎外『舞姫』(1890年発行)に「辞書」が使用されている。
「辞典」は、「辞書」のやや新しい呼称で、明治以降辞書名に用いられるようになった。明治11年(1878年)物集高見『日本小辞典』、同21年高橋五郎『漢和雅俗いろは辞典』、同29年大和田健樹『日本大辞典』。

2. 参考図書-事典と辞典

参考図書には、事典と年鑑がある。事典は、事物・事象について説明したもので、言葉や文字の読み方、意味を明らかにする辞典と区別するため、事典は「コトテン」、辞典は「コトバテン」とも読む。事典には索引がある。
年鑑には、『朝日年鑑』、『読売年鑑』、『時事年鑑』、『電通広告年鑑』等があったが、現在存続しているのは、『読売年鑑』のみである。

3. 辞典の種類

国語辞典の種類には、大型、中型及び小型がある。大型は『日本国語大辞典』で、全13巻+別巻からなり、50万語を収録している。中型には『広辞苑』(24万語)、『大辞林』(23万8千語)、『大辞泉』(25万語)がある。小型は『岩波国語辞典』(6万5千語)、『三省堂国語辞典』(8万2千語)、『新明解国語辞典』(7万7千語)、『明鏡国語辞典』(7万語)等である。

4.国語辞典の歩み
 
明治期の普通辞書である国語辞書に先行して、江戸時代末期の辞書や幕末の対訳辞書があった。江戸時代末期の三大辞書と言われる『倭訓栞』、『雅言集覧』、『俚言集覧』は、それまでの漢字中心ではなく、仮名による見出しを立てて、語釈の後、例文を提示している。

明治政府は、近代国家確立のための一方策として国語辞書編纂を試みた。明治4年、文部省は木村正辞ら10人の学者に官製国語辞書の編纂を命じた。しかし、語の収録や解釈をめぐって意見がまとまらず、その辞書『語彙』は、明治4年~17年刊行の初編13冊にとどまり、ア行のエ部で頓挫した。その体裁は、『倭訓栞』や『雅言集覧』を想起させるもので、古典辞典のようである。また、文法が確立していなかったので、語と句が区別されていない。

このような過程を経て、1891年(明治24年)、日本初の近代国語辞典『言海』が刊行された。国語学者大槻文彦が文部省の命で編んだ。後の『大言海』である。欧米各国で国語を統一し、辞書を編纂する機運が高まっていた。日本にとって国語辞典の刊行は、列強の仲間入りを象徴する国家事業だった。高田宏『言葉の海へ』は辞書に捧げた大槻の生涯を描いている。国語学者8人が集まったが、「アイウエ」で挫折し、多人数で議論するより一人に任せようと大槻の双肩にかけることになった。語源が不明、動詞の語尾の変化が定まらないなど、17年に及んだ編纂中に幼い子と妻を病で失った。

5.広辞苑
        
8月会報広辞苑1

『広辞苑』は1955年に発行された。1935年に発行された『辞苑』が元になっている。1998年発行の第5版では「どたキャン」、「目が点になる」、「一押し」、「とほほ」といった「現代語」を収録したことが話題になった。『広辞苑』は一番スタンダードなものだが、類書の『大辞林』や『大辞泉』には、図版や特集、レイアウト、巻末の付録などに工夫が見られる。『大辞林』や『大辞泉』は、近代の用例を積極的に取り上げているが、『広辞苑』は、第五版でも古典用例だけで、近代の用例を載せるというという方針は採らなかったようだ。

6. 新明解国語辞典
                           8月会報新明解1

「水泳」という語は、『広辞苑 第五版』に「水の中をおよぐこと。水およぎ。」と定義されている。一方、『大辞林 第二版』では「人が、スポーツや楽しみで水中を泳ぐこと。水練。遊泳。みずおよぎ。およぎ。」とされている。『大辞林』の定義は、『新明解国語辞典』の「〔人間が〕スポーツとして水中を泳ぐ・こと(術)。」を踏襲している。産卵のために川を上る鮭は水泳をしているのではない。海難事故で救助を待つ人間は水泳をしない。そこまで言ってくれなくてもいいと思うようなところまで、あえて記述する。そこが『新明解国語辞典』の特色であり、多大の愛用者を持つ理由だろう。

7.用例採集

言葉集めを辞書の世界では「用例採集」と呼ぶ。『三省堂国語辞典』の生みの親、見坊豪紀は生涯で145万語の用例を集めた。現在の編纂者、飯間浩明さんは、「日常生活で出会い、気になった言葉はすべて記録したい」と、新聞やテレビ、ネット、街中の看板まで探し回っている。

≪質疑応答≫
8月会報川井先生風景2

Q. 日本は、先進国の中で数少ない、憲法に日本語が公用語であることの記載がない国である。このこ
とについてどう考えるか。
A. 日本国民は、日本民族が圧倒的多数を占めていたので、公用語を定める必要がなかった。今後、外国人の流入が増えれば、50年後か100年後か分からないが、必要があるかもしれない。
                                       (文責:山岸信雄)



メニュー
アクセスカウンター
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。