欅の木3余白削除70 7/13 長岡 貞夫 先生 - 欅友会
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学習会の要旨

◎ 7月13日(土) 学習会の要旨 
2019年8月会報長岡先生3

日 時:7月13日(土) 13:30~15:30                             
会 場:東京経済大学 2号館 B301教室  
テーマ:「イノベーションシステムと生産性」                                          
講 師:長岡 貞男 先生
(東京経済大学経済学部教授)
出席者:194名(会員:男性145名、女性:44名、
非会員:男性2名、女性3名)

【講演要旨】

本日の講義は三つの論点、最初に「生産性とは」、次に「生産性向上とイノベーション」、最後に「イノベーション・システム:第4次産業革命に関連して」の三部構成で説明します。

1.生産性とは
                                 
2019年8月会報マルサス画像

「経済活動に利用可能な資源を利用してより大きな経済的な価値をもたらすこと」を、生産性の向上といいます。同じ資源で沢山たくさんの経済的価値をもたらすことになります。マルサスの経済学では、人口制限しないと貧困からの脱出はできない、というのがエッセンスです。理由として、人口は一定の所得水準になると、どんどんネズミ算式に拡大して行くが、人口が増えても生産量はそれほど拡大しない。従って、人口が増えれば窮状化していく、と言うことになります。
2019年8月会報長岡先生(英国の生産性と人口)

産業革命は歴史の大きな変換点、生産性が上がり賃金も上がり、貯蓄ができ、消費が増える。産業革命までは、産業はほとんど農業で、生産量は簡単に増やせない。人口が増えれば一人当たりの耕せる農地は減る。資源、土地は有限で、人口が増えると生産性は下がる。それを克服、脱却するには、技術水準を持続的に高めること。例えば灌漑、農薬、肥料、品種改良などが必要になる。それが実現できるようになったのは、産業革命以降ということになります。

<労働生産性と全要素生産性>
労働生産性を式で表すと、Y/L=A(K/L)(1-α)で示せます。YはGDP、Lは人、労働量、Kはキャピタルです。これが通常、生産性と言われているもので、一人当たりどれだけ生産できるかを表しています。(K/L)は一人当たりどのくらいの機械を使えるかを示しています。Kが増えても比例的に労働生産性は上がらない。例えば、土地面積が増えても、人が一人では土地を十分有効には活用出来ない。

Aとはなにか、テクノロジー、或いは全要素生産性と言われるもので、技術水準です。
経済全体でGDPを増やすには、どうすれば良いかを示すには、Y=ALαK(1-α) で表わされます。
(注記:労働生産性Y/L=A(K/L)(1-α) の式から、Lを移項 → Y=A(K/L)(1-α)×L=ALαK(1-α)) 
この式はマクロの生産関数(コブ・ダグラス生産関数)と呼ばれ、経済全体の供給能力を示したものです。

生産の拡大は三つ要因に分けられます。①はL:人口拡大で経済拡大する、②はK:キャピタル、資本ストック拡大で経済拡大する、③はA:技術水準の改善でGDPは拡大する。

Yの増加源泉はAの上昇、Lの増加とKの増加になります。
実質賃金は労働の限界生産性で決まると授業で習った記憶の方も多いと思います。労働の限界生産性は、もう一人労働力が増えた時、どの程度生産量が増え、GDPが拡大するかを表します。式で示すと、労働の限界生産性=⊿Y/⊿L の微分式となり、これを労働生産性=Y/L に代入すると、
⊿Y/⊿L=α(Y/L) となり、αをGDPにおける労働のシェアとすると、労働の限界生産性は労働生産性に比例するといえます。このため、ラフには労働生産性は実質賃金と比例します。

<労働生産性の真実と誤解>                                               
全要素生産性は Y/{LαK(1-α)}=A で表せます。
(注記)(マクロの生産関数 Y=ALαK(1-α)の {LαK(1-α) }を移項→ Y÷{LαK(1-α) }=Y/{LαK(1-α) }=A) 
前述の労働生産性の式より、労働生産性は一人あたりの資源利用量(K/L)に依存し、Kが一定ならば人口増加で減少する、マルサスが観察した事実になる。しかし、Kが国内貯蓄や海外からの資本導入によって増やすことができる、すなわち、長期的にはK/LのKはAに依存する。何故ならば、Aの技術の改善・向上により、キャピタル、資本ストックの増加、拡大の効果を高めるからです。従って、労働生産性も全要素生産性で決まる事になります。

生産性計測の問題ですが、生産性を計測するには、価格をきちんと集計する必要があります。
アウトプットとインプットを把握しますが、基本的には、新しい製品が出て来た時に、既存製品とどの位差があるのか、価格の差を測ります。価格低減があった場合、この差が技術水準の貢献であり、販売量が増え生産量が上がり、実質生産が増える事になります。

しかし、計測が極めて難しいケースがあります。例えば、携帯です。携帯は電話機能より、新しいアプリを求め、新しくできる事をどんどん増やしていて、物凄い消費者の利益を生んでいますが、既存のモデルと比べた、携帯の物理的な機能を比較する上では、このようなアプリ追加などによる機能・サービスなど価格に反映されず、機能差を価格で測れません。イノベーションとしてインパクトは大きいのですが、今は全く測られていない、非常に過小評価となっています。

また、今までにない物を新製品として出した場合、既存の製品の価格が無く、それによる生産性の貢献の評価は出来ない。例えば、昨年ノーベル賞をとった本庶佑さんの「オブジーボ」がそのケースです。
ゼロからの市場創出効果は、現状の生産性の評価には入っていません。
この様に、生産性の貢献度が過小評価される場合は多く、限界がある指摘だと言う事が出来ます。

2.生産性向上とイノベーション

イノベーションとは何か。定義として、「イノベーションとは、新しい知識を活用して経済的な価値を創出すること」で、あくまでも源泉は知識です。
                            2019年8月会報ウィンドウズ7

知識による革新とは何か。コピーをする事で普及するのが知識による革新だと言えます。いちばん分かり易いのはソフトウェアです。Windows7が発表された時、2年弱で4.5億枚をコピーした。これが知識の特徴で、何度でも何人でも利用できることです。この、知識は陳腐化することはあっても、減耗はしません。

知識の特徴として、公共財の定義で「利用における非競合性」があり、同時の利用を阻害しない。私の使っている事が、他の人が同時に使う事を全く阻害しません。コンペティティブな関係ではない。その結果、知識の増加は土地、労働、天然資源、資本等の生産性を永久に高め、経済成長への制約を克服し生産性の上昇に貢献します。

研究とは、「事物・機能・現象などについて新しい知識を得るために、あるいは、既存の知識の新しい活用の道を開くために行われる創造的な努力及び探求」をいいます。
2019年8月会報長岡先生主要国の研究費(対GDP)
             <文部科学省科学技術研究所、科学技術指標集計表より>
「主要国の研究費及び研究費のGDP比」 (2015年)からのデータで、
日本3.42%、アメリカ2.74%、ドイツ2.94%、フランス2.25%、イギリス1.69%、中国2.12%、
韓国4.24%
主要国G5では日本が一番高いが、中国、韓国も同様に高い。
2019年8月会報長岡先生主要国研究費の負担割合
              <文部科学省科学技術研究所、科学技術指標集計表より>

「主要国における研究費の負担割合」のデータで、民間企業の負担割合は、
日本71.8%、アメリカ62.3%、ドイツ65.6%、フランス54.0%、イギリス49.0%、中国76.1%、
韓国75.4%
日本の特徴として、民間が負担している割合が高いことで、イノベーションの仕組みが上手く機能していると評価できます。

3.イノベーション・システム:「第4次産業革命」に関連して

2019年8月会報AI

(1)AIでの新しいブレークスルー (深層学習) 
今、第4次産業革命、或いはSociety5.0と新しい名前で言われるほど大きく変革が起きているのかを、簡単に説明致したと思います。AIに大きな発展があったことは事実で、深層学習など新しい手法で従来のAIで果たせなかったことが実践できることも分って、利用分野が拡大し開発が進められています。ただ、これが世の中に供給され、大きなインパクトになっているかですが、駆動力として半導体技術を中心とする情報通信技術の累積的発展が大きいと思います。

(2)情報通信技術(ICT)の累積的な発展は非常に大きい

①コンピューティング・パワーと情報通信能力の拡大  明らかにコンピューティング・パワーによります。AIを活用するには非常に大きな計算が必要で、昔のコンピューターでは一年かかったことを短時間で、複雑な推定問題も短時間ででき、AIサービスを可能ならしめている。これと補完する情報通信能力の拡大が必要不可欠で、AIサービスを電子的にクラウド上に結果を出し、対話と結果をエンドユーザーに供給するには、圧倒的パワー、つまり、コンピューティング・パワーが必要です。これも半導体技術の大幅な進歩によるものです。

②計測制御器(例 GPSセンサー)の小型化と低価格化
最近では自動車でもAIを使っています。AIを使うにはデータが必要で、計測が出来ないとデータ提供できないのですが、GPSセンサーの小型化と低価格化が可能にしました。半導体技術による革新です。
                                2019年8月会報クラウド

③ディジタル・データの集積とクラウドによる共有 グーグルがディジタル・データを大量に保有しています。グーグルの検索サービス、ネットを通じてクラウド上に情報を集めて、検索し易くしている。沢山の人がネット上に情報を公開して、情報がクラウド上にどんどん集まって、たくさんの人がそれを利用しています。このクラウドを動かしているのも半導体ですから、全て根幹は半導体の進歩によるものと言えます。半導体の能力は1年半で2倍以上に拡大、この進歩はまだ続いています。
コンピュター・パワーズが極めて安く、世界中の何処でも自由自在に使えるようにしたのは、半導体の大幅な進歩のおかげであり、半導体技術こそがGeneral Purpose Technology(汎用技術)だと考えられ、AIは派生技術です。


ソフトウェアの開発状況を説明します。
何故ソフトウェア発明かというと、全てソフトウェアで実現しているんですね。AIにしてもIOTでも、全てソフトウェアによります。ですからソフトウェアの開発状況を把握すれば、全容の理解が進む事になります。

1.研究開発について
端的に言って研究開発は投資なんですね。投資した開発成果によるイノベーションで、売上が伸び、収益も拡大し投資に見合った成果を得られる期待をしている。従って、企業の将来、どの程度イノベーションが出来ると思っているか測れるデータとして重要です。
2019年8月会報世界R&D企業数
                <出典:欧州委員会のR&Dスコアボードデータから作成>
まず、「世界の研究開発支出上位2500社(2015)」から見た、日本の研究開発パフォーマンスです。世界2500社のうち、1位アメリカ:829社、2位日本:360社、3位中国:301社、6位台湾114社ですが、中国、台湾が急激に伸びていて、この時点でも中国、台湾を合わせると日本を上回り、最近では中国の方が、日本より多くなっています。

次に「研究開発支出の多い11産業」ですが、投資の多い産業は回収が見込める、儲かる分野に多く投資をしています。1位は医療バイオで、研究開発費シェア18%のトップ、816社 (14.6%=売上高開発費比率)、我々がフォーカスしているソフトウェアは、研究開発費シェア(10%)で、4位、275社(10.1%=売上高開発費比率)、3位自動車及び部品(16%):155社(4.4%)になっている。医薬・バイオ産業は、臨床試験に多額な投資がかかるが、成功すれば高く売れ、投資回収が見込め企業も投資額もトップです。4位になっているソフトウェアは、医薬とは異なるが、これだけ投資するのは回収が見込めるからで、少ない効果でも需要が伸び、収益も増え投資回収は見込まれている。

「世界のR&D支出上位産業の国別研究開発シェア」ですが、ほとんどの産業でアメリカが一番で、日本がトップなのは娯楽とゲーム産業で、任天堂などの企業です。
ソフトウェア・コンピューターサービスの分野で、米国は1位で77%を占め、2位は6%の中国ですが、年々上がってきています。3位は4%のドイツですが、これはSAP SEですね。ビジネスの合理化のための企業ですが、SAP SEの開発拠点は米国にあるそうで、事実上アメリカの企業といってもいいと思います。ですから、ソフトウェア開発の分野は米国中心になっている事が分かります。日本ですが、この時点では2位とか3位とかが多いのですが、中国がどんどんランクを上げてきて、年々下がってきている状況にあります。ソフトウェア開発は特に米国が中心で、この分野で挑戦するには英語は勿論、米国市場に供給出来るようなものでないと難しい状況です。

研究開発におけるソフトウエア関連発明のシェアの高まり、最近の米国への特許出願の4割強5割近くが、ソフトウエアに関連した発明であります。ソフトウエア関連発明の全発明に占めるシェアは、1970年代初頭の10%強から40%を超え50%近くの水準に拡大している。日本もハードウェアだけでなく、ソフトウェア開発の比率も米国と同じ様な比率で推移しており、Narrowly defined software(AI,情報処理技術など)でもほぼ10%で米国並みに推移しています。

自動車産業で、どの程度のソフトウェアの開発比率になっているか、見てみましょう。「自動車産業の研究開発の構造I(2000年以降)」のデータです。
日本、アメリカ、ドイツの3か国ですが、いずれも3割前後ソフトウェア開発に投資しており、その内AIについては0.5%程度の比率ですが、Narrowly defined softwareの比率は35~40%を占めています。日本の企業もソフトウェアと融合させる発明をやっていることになる。特徴として、新規参入や部品企業の方がソフトウェアの比率が高く、米国の電気自動車に参入しているTeslasは47%、部品企業の、Boschは36%、デンソーは43%のソフトウェアの開発比率であります。

日本と米国の大きな違いは、流通、金融の分野でも研究開発を盛んにやっているのが米国で、「流通分野のR&Dトップ企業」でも、TOP3は米国のeBAY、Amazon、Netflixであり、インターネットを使って事業を拡大しています。日本は開発しているが、規模も小さく、遅れ感は否めません。 

2.ソフトウェアの発明とはどんなものか、何か内在的な発明があって出来たのか、或いは、それを使うと便利なのでソフトウェアの発明になったのか、創造過程をみてみます。
日米発明者サーベイから作成した「発明創造のプロセス」より、創造過程を明らかにします。「当該発明は研究者の目標」の項目で、Narrowly softwareは32%、Non softwareは52%もあって、ソフトウェア発明は低い事が分かります。多いのは、「主な目標でなく予想できた副産物」の項目で、34%を占めています。ソフトウェア自体の改善になるものは多くなく、ハードウェア研究を解決するなかでソフトウェアを発明出来たといえます。

また、特許庁の「AIの発明の技術課題」により、発明の目標が項目で表わされていますが、「正確性」「高速性」「利便性」「安全性、信頼性」など新しい事をやるより、既存のモノをより正確にやる方が多い事がわかります。大々的な発明ではなく比較的小さな発明で良く、あとは如何に商業化するかと言う事になります。

3.発明の人材について、最後に説明します。

「米国企業のPCT出願米国登録特許(N)における割合」と「日本企業のPCT出願対象の米国特許(N)における割合」の表から、米国企業の人材、日本企業の人材が何処に居て、どう開発しているかを、Narrowly softwareの発明で見てみます。
 
  外国籍の発明者のみの発明  :     (米国)38%、 (日本)18%
 自国籍の発明者との共同発明 :    (米国)22%、 (日本) 2%
 合計(外国籍の発明者がいる割合):   (米国)60%、 (日本)20%
 かつ外国に外国籍の発明者がいる割合: (米国)42%、 (日本)17%

米国企業では、外国籍の発明者のみの発明と自国籍の発明者との共同発明を合わせると、60%の発明は外国籍の発明者によります。その内、4割(42%)は外国での発明になっています。例えば、インド、イギリスに居て、マイクロソフトとして発明し、マイクロソフトが特許を取得するなど、外国のコンピューター産業の研究はグローバルで展開されています。日本はどうでしょう。外国籍の発明者のみの発明はありますが、18%で、外国籍の発明者との共同発明になると2%と極めて低い数字になっています。

(結びとして)

IT革命、IT技術革新は幅が広く、あらゆる分野で大きな活用意欲が高く、すそ野が広いイノベーションが起きています。日本の企業はロボット利用では、韓国に並んで世界で一番といっても良く、現場で新しい物の利用に長けている。AIとロボットとは少し違いますが、AIの活用ということでは世界に通用するし、日本産業のイノベーションの可能性は凄くあります。ただ、AIの基本技術そのものの革新でグローバルな市場で競争するには、グローバルな人材を使わないといけない。この点が難しく、今後の課題と思っております。

2019年8月会報長岡先生講聴風景1

【質疑応答】

Q1.今後の日本におけるイノベーションの進展ということについてお伺いしたい。
日本の国民性として「和を以て貴しとなす」という意識で、多様性より協調性になりがちで、どうしても「破壊的イノベーション」(Disruptive Innovation)ではなく、「Sustaining Innovation」(持続的イノベーション)にならざるを得ないと思うが、先生のお考えをお聞きしたい。
A1.本当に革新的なものは、異端だと思います。その異端を利用しなければ、革新的なものは得られないと思います。日本の企業には、そういうことをある意味可能にする長期雇用がありあります。調査した12の革新的な医薬品の研究開発についてみると、全部異端で必ず既存組織での摩擦をおこしています。しかし、「スタチン」を開発した遠藤章さんも、2年間で開発が失敗しても長期雇用の中で取り返しをすることは可能で、会社に迷惑を掛けないという発想で、野心的な独自性の高いテーマに取り組まれた。また、例えば、「闇研究」は革新的な発明に大きく貢献してきたのも事実で、日本企業の場合、権限が下にあることがこれを可能としてきたと考えられます。長期的に考えることが出来たし、権限が分権化されていることが、異端というか多様性を許容する仕組みとして機能したことに間違いないと思います。

今、起こっているAIのイノベーションは、ある意味逆に和が重要な面もあります。いろいろなモノの組合せが重要で、特定のモノで支配する状況ではなく、ユーザーと共同するデータ・コレクトをどうするかなど、チームワークが重要であります。AIを活用している上で、特に日本が大きな問題を持っているとは思っておりません。ただすごく新しい革新的な発明をAIでやるということになると、現状以上に色んな異端や多様性を許容する事が必要になってくると思います。

Q2.最初の方で最低賃金のお話しがありましたが、韓国は最低賃金をやって経済が悪化したと伝えられているが、先生の話とどう関連するのか? また、安倍内閣でも最低賃金を上げろと話があったと思うが、先生のご意見を伺いたい。
A2.韓国のケースは詳しく分からないが、日本とはかなり状況が違うと思います。日本の場合、労働逼迫の状況でも最低賃金は上がらない。最低、マクロ経済の目標としては脱デフレですから、賃金と物価を上げるようにしたい。マクロ政策の一環として、最低賃金を上げる事は将来的に意味があると思います。最低賃金を上げる大きな問題は失業ということになりますが、今は超過需要の状況で労働需要が非常に強く、最低賃金を上げることで若い人とか就業経験のない人の失業を高める危険性は減っている。最低賃金をマクロ政策の一環としてやれば、あまり副作用なく脱デフレ政策の一環として機能すると思う。失業がかなりある状況では、最低賃金を上げる政策は意味はない。日本の場合は、最低賃金が県別に決まっていて、各県の労働市場の状況をみながら拡げる。従って、一律に賃金を上げてしまうことは出来ない。ただ、生産性を上げてなくて、デフレ政策として最低賃金を上げる意味はありますが、イノベーション政策としての効果はありません。
                                                     (文責:川﨑 守)

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