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「西郷(セゴ)どんのくにの薩摩おごじょ」
                               田中 寿美江


2018年5月会報西郷ドン1

薩摩おごじょとは、西郷隆盛が生まれた鹿児島の家庭的で優しく、芯の通ったしっかりした女性の事を言います。
皆様の近くにも、年を重ねてもお元気でご活躍の女性がおいでの事と思いますが、今回は私の身近な方で、すばらしいパワーの持ち主で、今年の11月には89歳になられます現役の洋裁の先生(薩摩おごじょ)をご紹介させて戴きたいと思います。

来年には洋裁生活70年目を迎えられますが、今もご自宅に、50歳代から90歳までの生徒がお稽古に通っております。殆どが主婦です。今迄に200人近い生徒がお稽古に通ったそうです。遠方から電車を乗り継いてでも通ってこられる方も有りますが、それはお教室での一日が、実りある時間でもあるからです。

先生の一日は、5時から始まり、朝食の後は30種類程のストレッチと、ウオーキングマシーンでの運
動と続きます。そして、10時からお稽古が始まります。生徒は皆指先を動かしながら、口も動かします。時として口の方が勝ってしまいます。私は何年たっても一人前にならない不器用な生徒ですが、先生のお力をお借りして、何時の日か何とか仕上げます。娘を持つ生徒たちは、先生のご指導とお手助けで、嫁ぐ娘のウエディングドレスを、夢中で縫い上げました。それは一生の思い出となっております。
                       2018年5月会報ウェディングドレス1

さて、お稽古が終ると、お茶の時間が有ります。指導して戴いた上に、なんと先生手作りのおやつが用意されているのです。前の日から生徒の為に色々と準備して下さっております。手作りのお漬け物(天下一品のぬか漬け類その他)、季節のお野菜の煮物や、お餅を使ったおやつ等々と、其れも楽しみと密かに思う生徒も多いのです。その愛情のこもったおやつは本当に美味しくて、洋裁の技術はもちろんの事、その同じ手で作り上げられるお料理の数々にも、皆感心するばかりです。

その他にも、節分の頃には恵方巻が50本ほど、春にはラッキョウ漬けや、梅干し漬けを二百キロ近くも漬け込まれます。お正月前には100キロの餅米で、お飾り餅は角餅等を作られます。もちろん同居されているご子息のお力添えも有ります。そのお餅も、おやつの時の餡餅や、お雑煮やきなこ餅に変身して、私たちは舌鼓を打つのです。

洋裁、お料理、その他にも人生の師として悩み事があればついついご相談して、共に考え、共に笑い、共に泣き、時には叱って下さいます。洋裁の技術の高さや、その懐の広さはどの様にして培われてきたのでしょう。
 
鹿児島で恵まれた環境で幼少期を過ごされましたが、女学校卒業と同時に洋裁を学ぶ為に上京なされて、デザイナー宅に住み込みで修業された時のとても辛い厳しい日々が、その後の技術の向上にもつながり、芯の強さと豊かな人間性を育まれたのだと思います。
2018年5月会報鹿児島3

そしてその懐の広さや行動力は、鹿児島の西郷どんが家族を愛し、人々に対しての優しさ、信念を貫く強さが、薩摩おごじょも同じだと思うのです。
西郷どんの家族への深い愛と、先生の4人のお子様達や、そのご家族への思いは同じで皆様愛情あふれる方達に育たれて、それぞれに個性豊かに活躍されておられます。

私は今80歳で、一応九州の久留米の産ですが、近くに大きなお手本が有るのですから、9年後の89歳には、先生のその記憶力と行動力と人間性に少しは近づけるのでしょうか?

洋裁で一枚の布にデザインを頭に描き、針と一本の糸で、チクチクと指先を動かして、そして頭の体操に東経大の講座を聴きに暑い日も、あの坂道を頑張って上り続けて行けばあるいは・・・と考えていますと、「おーい、頼んでいた物は、一体どうなっているんだー」と主人の声。そうでした。私は頼まれていた買い物を、もう何日も忘れていたのです。それも度々なのです。
記憶力抜群の薩摩おごじょへの道は夢なのかもしれません。でも前向きに、少しずつでもと思う今日この頃なのです。


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