会員の声

◎会員の声


「著作権」について
                                   内田 豊


1・著作権って何?

2018年3月会報著作権1

近年、新聞報道やテレビのニュースなどで「著作権」ということばを聞くことが多くなりました。
わたくしたちは、先人の遺した文化的所産、とりわけ著作物を利用することによって、豊かな文化的生活を営んでいます。

著作権法は、作家が書いた小説をはじめ、音楽、美術のような「著作物」の創作者(著作者)に対して、一定の権利を認め、それらの著作物を基にして、出版したり、録音したり、放送したり、映画化したりして利用することに際し、創作者(著作者)の利益を確保することにしていますが、創作者(著作者)に、法律上認められるこの権利のことを「著作権」と言っています。 

この権利は、世の中の誰に対しても主張できる排他独占的権利で、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権等)とともに知的財産権(知的所有権)と呼ばれているものの一つです。(知的財産権とは人々の幅広い知的な創造活動から生み出された成果について法律で認められている権利です。)

また、著作権法は「著作隣接権制度」を設け、創作者(著作者)の権利とともに著作物と密接な関係を持つ実演家、レコード製作者、放送事業者にも一定の権利を与えて保護しています。著作権、産業財産権(特許権等)は、いずれも「知的財産権」の一種ですが、大きな違いは、産業財産権(特許権等)が「アイディア(技術的思想)」を保護しているのに対し、「著作権」は「表現」を保護するものです。

なお、「著作権」には、著作者等の人格的な利益を保護するための「著作者人格権」が認められていますが、産業財産権(特許権等)にはこのような権利はなく原則的な保護期間も違います。

*著作権制度の目的と権利の内容は以下の通りです。
①制度の目的 :文化の発展
②保護の対象 :表現
③権利の内容 :相対的な独占権・人格権
④要 件   :創作性(思想又は感情の表現)
⑤方 式   :無方式主義「(著作権の発生には産業財産権(特許権等)と異なり
登録等の手続きを必要とせず著作物を創作すると同時に権利が発生する)」          
⑥保護期間  :創作者(著作者)の死後50年

2・著作権保護の歴史

著作権の保護の歴史は、15世紀中頃のドイツのグーテンベルク(1400年頃~1468年)による印刷技術の発明に始まると言われています。この発明によって聖書などの文献が印刷によっての複製、増製が可能になり、これを契機に他の文献等の複製に関しても普及していった。                              
                              12018年3月会報グーテンブルグ


ヨーロッパでは18世紀から19世紀にかけて著作権保護の立法が進められ、19世紀後半から二国間ごとの保護条約が結ばれるようになった。やがて、著作権保護に関する国際同盟の動きが起こり、明治19年(1886年9月)スイスのベルヌにヨーロッパ10か国が集まり国際条約が結ばれた。これがベルヌ条約(文学的及び美術的著作物保護万国同盟創設に関する条約)です。

一方、我が国の著作権制度は、江戸時代まで遡ることが出来るとする説もあるが、「図書を出版する者を保護する規定とされる「出版条例」明治2年(1869年)がその先駆と考えられている。
「出版条例」の制定に当たっては、当時から著作権思想の普及活動を行っていたと伝えられる福沢諭吉が大きな役割を果たしたと言われている。

我が国が、近代的な著作権法を確立したのは、(明治32年(1899年))に「著作権法」(旧著作権法)を
制定した時であり、同年同時に著作権保護の基本条約とされる「ベルヌ条約」に加盟した。

アメリカはもっぱら二国間条約で著作権保護を図ってきたが、昭和27年(1952年)にユネスコの提唱
によってできた「万国著作権条約」に加盟しており、平成元年(1989年)に「ベルヌ条約」に加盟している。この法律は数次の改正が行われたが、昭和45年(1970年)に全面的な改正が行われ、現在の「著作権法」が制定された。

現行の「著作権法」の施行後もコピー機、デジカメ、携帯電話、パソコン、インターネット等の新しい
技術の開発、普及の急速な進展に伴い、著作物の「創作手段」「創作物の利用手段」が大きく変わり、国が
標榜する「知的財産戦略」の確立、推進と相まって制度が見直され、数年ごとの改正を含め、「著作権制度」の整備が行われてきている。

以上、著作権について概観を記しましたが、欅友会の今後の学習会で「著作権制度」について学べる機
会を設けて頂けましたら幸いです。 

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