会員の声

◎会員の声 【その1】


地震予知は可能か?
                                         彌吉 久


1、地震と断層 


断層は結果であって、地震の原因ではない。過去2万年(?)内に動いたと判定された断層を活断層と定義づけ、「活断層が地震を起こす」かのような文言が非常に多く使用されている。しかし断層は岩盤が横圧力を受けて破壊した結果であって、地震の原因ではない。もちろん地震が起れば、既存の断層帯では当然岩盤は動き易いであろう。
普通、直下地震の震源は地下数㎞~20㎞の深さにあり、地震近傍から震源域までの間、断層は連続しているか否か、推測されても検証はなされていない。また、余震を含めた震源分布の解析でも連続性は証明されていない。

2、GPS(全地球測位システム)

6月会報地震3

GPSの連続観測を行う電子基準点が全国1,240箇所に約20㎞間隔で設置され、地殻変動を国土地理院で監視している。その変動は図上に示された矢印の方向と長さで岩盤表層の動き、つまりどの方向から横圧力が働いて年間何㎝動いているか、一目瞭然となっている。この横圧力による岩盤内のバランスが崩れた時に破壊が進み、その結果、断層となって現出するのであろう。
この公開されている“地殻変動図”がどうしてもっとTV上に放映されないのであろうか? 私は東日本震災の時に1回、四川省地震の時も1回だけ、今回の熊本地震では2~3日して漸くTVで見ることができた。

3、プレートテクトニクスとプリュームテクトニクス

プレートテクトニクスについては一般にもかなり知られるようになった。このプレート上の一連の岩盤が横圧力を受け、その歪みの解放が地震である。このプレートを動かす原動力は地球内部の高温マントルの上昇と地球表層の低温マントルの下降である。それぞれをホットプリューム、コールドプリュームと呼ぶが、南太平洋にはタヒチとハワイにホットプリューム(上昇流)があり、アフリカ大陸にもホットプリュームがある。そして、アジア大陸の下はコールドプリューム(下降流)となっている。地下670㎞(上部と下部のマントル境界)より浅いところではプレートテクトニクスが働き、それより深いマントル内ではプリュームテクトニクスが支配している。
関東地域の深部では3つのプレートが入り組んで複雑な動きをなし、深度1~4の地震がしばしば…は御承知の通りである。ストレスが蓄積して1つの大地震となるよりも、小地震でストレスが解放されていると考え、“減災の備え”をなすべしと自戒している。

4、地震予知・予報

「地震予知は可能か」という串田氏(八ヶ岳南麓天文台台長)の講演を聞くことができた。東京地学協会の「地学クラブ講演会」で、10余年前のことである。地震の前には地殻破壊に先立って、地盤の電気的状態や電離層に変化が現れるなど、電磁的な異常がとらえられるとのこと。要するにFM電波を使った地震前兆の観測研究である。
今日の地震学界では、観測及び解析は精緻を極めているらしいが、予知・予報の話は聞かない。よって別な分野からのアプローチでなければ予知・予報は進まないであろう。
その後、東日本大震災があり、今回の熊本地震に際しても、観測や研究はどのように進んでいるのであろうか? 新たに講演をお願いするよう、地学協会をプッシュしようと考えています。


地震では地上の建物が大きくゆれる。中国の唐山大地震では「深さ400mの炭鉱坑内ではゆれなかった」との証言などは割愛。また“軟弱地盤”や“液状化”の問題も省略しました。(H28年4月20日 記)

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